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流産・死産も対象となる妊婦のための支援給付制度が始まった

2025年4月から新しい妊婦のための支援給付制度が始まりました。旧「出産・子育て応援交付金事業」を引き継ぐもので、市町村に妊娠届を出し然るべき方法で申請すると5万円が給付されるというものです。ここでいう妊娠とは、胎児心拍が確認されているということです。

新しい制度では、流産・死産・人工妊娠中絶の場合でも支給の対象となります。この場合、妊娠届が出ていることが条件となりますが、万が一妊娠届を出さずに流産や死産に至った場合でも、医療機関で胎児心拍が確認できたことを証明する書類があれば申請することができます。

医学的には、流産する前に胎児(胎芽)心拍が見えていたかどうかは重要な情報になりますが、給付の面からも胎児心拍を確認しておくことは大事だということです。不育症専門クリニックである当院では、妊娠初期の健診として妊娠6〜7週で必ず来院してもらうようにしていますが、その理由はこの時期に胎児心拍が確認できることがその後の妊娠経過を占う重要な要素になるからです。

旧制度では、赤ちゃんが順調に育って初めて給付金を受け取ることができましたが、新しい制度で流産にも目を向けられるようになったことは評価に値します。税金の無駄遣いを指摘されることの多いこども家庭庁ですが、本制度のように妊婦さんや子どもを望むカップルに寄り添う政策を推進し、少子化を脱却する原動力となることを切に望みます。

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