当院発信の論文が国際学術誌に掲載されました。
当院の研究データに基づいて執筆した論文が、Journal of Reproductive Immunologyという国際学術誌に掲載されました。
コロナが重症化すると抗リン脂質抗体が産生され、血栓症で死亡する原因になると言われています。そうであれば、コロナ感染が抗リン脂質抗体の産生を介して流産を引き起こす可能性も考えられます。こうした疑問に答えるため本研究は行われました。
結論としては、流産がコロナ感染やワクチンの接種が抗リン脂質抗体を誘発することはありませんでした。当院で抗リン脂質抗体を調べた不育症患者さんはすべて軽症例でした。重症例ではこの限りではありませんのでやはりコロナ感染には注意したいものです。また、本論文はコロナワクチンそのものの安全性を確認したものではなく、あくまでも抗リン脂質抗体の産生を誘導することはないことを確認したものです。
コロナはようやく落ち着きを見せてきましたが、インフルエンザやその他の感染症で抗リン脂質抗体が誘発された症例は多数報告されていますので、感染症にはくれぐれもご注意を。